質問コーナー
Q.「犬や猫にもアレルギー体質というのはあるのでしょうか?
   症状や、気を付けたいことを教えて下さい。」
Q.「室内で飼っている我が家の9歳の犬が、糖尿病といわれました。
   病院で治療する他に、自宅で出来る改善策はありますか?」
Q.「タマネギ中毒というのがある、と聞きましたが、なんでしょうか?
   与えるのに避けた方がよい食品があれば教えて下さい。」
Q.「家族の一員として過ごしてきた愛犬が年をとり、
   痴呆症ではないかと心配しています。対処法を教えて下さい。」
Q.「現在飼っている8歳の猫に、もう一匹仔猫を仲間入りさせました。
  キャットフードは別々にするのですが、お互いに相手の物を食べてしまいます。
  何か影響はありませんか?
Q.「中学生からの質問」
Q.「ネコの予防について教えて下さい。」
Q.「不妊手術をしようかどうか迷っています。手術をした時の利点を教えて下さい。」
Q.「はじめて犬を飼ったのですが、予防について教えて下さい。」

「犬や猫にもアレルギー体質というのはあるのでしょうか? 症状や、気を付けたいことを教えて下さい。」

 ペットにもアトピーといわれる、遺伝的にプログラムされた疾患があります。典型的な症状としては、皮膚の掻痒です。引っ掻いたり、なめたり、噛んだりといった行動がみられます。

 他にもアレルギーはあります。アレルギー性皮膚炎やアレルギー性腸炎、あるいは喘息や結膜炎などなど。アレルゲンと呼ばれるアレルギー反応を誘発する物質に接触することによって起こります。

 生活する中で、アレルゲンを完全に取り除くことはほとんど不可能であると思われますが、その中でも予防しうるもの(例えば、ノミやダニなど)は出来るだけ触れさせないことに心掛けると良いでしょう。

 また、日頃から飼育環境を清潔にすることや、ブラッシングもしくはシャンプーなどで皮膚を清浄に保つことも大事なことです。


「室内で飼っている我が家の9歳の犬が、糖尿病といわれました。病院で治療する他に、自宅で出来る改善策はありますか?」

 犬での糖尿病は、インスリン依存型糖尿病(T型)と呼ばれるタイプがほとんどで、一般に、生きている限りインシュリンの注射が必要となります。

 糖尿病を管理する上で重要なことは、定期的な検査を受けることです。これによって、適切にコントロールすることが可能となるのです。また、飼い主さんは、糖尿病について高血糖時の症状や、逆の低血糖が起こった時の症状など、十分理解をしておく必要があると思います。

 自宅で出来るものとしては、食餌の管理があります。肥満を軽減することで、薬の効きが良くなることがありますし、低脂肪、高繊維質の食餌によって血糖値の変動を少なくすることが出来るのです。また、適度な運動もコントロールの維持に役立ちます。ただし、運動のし過ぎは低血糖の危険がありますので注意が必要です。


「タマネギ中毒というのがある、と聞きましたが、なんでしょうか?与えるのに避けた方がよい食品があれば教えて下さい。」

 ペットがタマネギを摂取すると、タマネギの細胞に含まれている有毒成分によって、赤血球の膜に変化が起こります。この変化によって、血管内で赤血球が破壊されてしまいます。破壊が多かったり、長く続いたりすると貧血を起こしてしまうのです。

 ハンバーグや野菜炒め、あるいは味噌汁やすき焼きの残りなどが良く問題になる食べ物です。タマネギの有毒成分は熱処理によって破壊されませんので、どのような形態をとっても病気を引き起こします。長ネギやタマネギ以外にも、エシャロットやにんにくでも同様の中毒が起こりますので注意しましょう。


「家族の一員として過ごしてきた愛犬が年をとり、痴呆症ではないかと心配しています。対処法を教えて下さい。」

 年をとると、視力、聴力、臭覚などの感覚の低下が起こります。痴呆のように思われることが、実はこの感覚の低下によるものだけであった、などということがよくあります。

 現在、痴呆症の診断基準というのがありますので、まずは動物病院で診察を受けて下さい。そして、そのコの症状にあった治療を受けられるのが良いと思います。


「現在飼っている8歳の猫に、もう一匹仔猫を仲間入りさせました。キャットフードは別々にするのですが、お互いに相手の物を食べてしまいます。何か影響はありませんか?」

 成長過程の仔猫と成長が終わってしまった成猫とでは、必要な栄養素が違ってきます。栄養不足あるいは栄養過多が起きることも考えられます。


「中学生からの質問」
<イヌの病気について>
・ 病気は何種類くらいあるのですか。
  一般的な病気としては、400種程あります。細かい分類をすると、その数倍になると思われます。
・ 病気の名前をおしえてください。(10種類)
  心臓病、皮膚病、消化器疾患、神経疾患、呼吸器病、感染症、内分泌(ホルモン)疾患、栄養障害、血液病、運動器病、中毒、など。
・ イヌの種類によってかかる病気が違うのですか。
  犬種によってかかり易い病気は有ります。ですが、すべての病気について、すべての種類のイヌがかかる危険はあります。
・ 病気にかかるとどんなふうになるのですか。
  病気によってそれぞれ違ってきますが、食欲が無くなる、元気が無くなる、痩せてくる、毛づやがなくなる、などの症状が出てきます。
・ 感染する病気とかありますか。
  寄生虫、ウイルス、細菌感染などがあります。
ワクチンにより予防できる病気もあります。
ジステンパーウイルス、アデノウイルス、
パラインフルエンザウイルス、パルボウイルス、レプトスピラ

薬によって予防できるものとしては、
ノミ、マダニ、フィラリア
・ 治療方法には、どんな方法がありますか。
  注射、点滴、飲み薬、手術などがあります。
・ 人の病気にかかりますか。
  人とイヌとで共通の病気が有ります。人畜共通伝染病といいます。
・ 一番危険な病気を教えて下さい。
  病気に順位はつけられません。危険な病気は沢山有ります。病気はすべて嫌なものですが、なかでも、予防をすれば防ぐことができるのにそれを行わず病気にしてしまう、フィラリア症やパルボウイルス感染症などは、非常に残念な病気です。
・ 一番軽い病気を教えて下さい。
  下痢や皮膚病などですぐに治ってしまうものはありますが、どのような病気でも命に関わる危険な病気に繋がる可能性は有ります。
・ 病気は遺伝するのですか。
  遺伝する病気も有ります。

<イヌの上手なしつけかた>
  すべてのしつけに共通するものとして、まず、なぜそうなったのか。たとえば、なぜ吠えているのか、なぜかもうとするのか。その理由とそうなる過程を理解することが大変重要になります。それぞれのイヌによって違うので、それぞれの理由にあったしつけをしていくようになります。
・ 無駄吠えをさせないようにするためのしつけかた。
  なぜ吠えるのかを考えます。人の気をひこうとしているのか、恐怖から吠えるのか、不安なのか、警戒しているのか、など。それぞれの理由によってしつけの方法が変わってきます。
どのような理由でも、吠える原因をなくすことが出来ればそれが一番よいでしょう。
・ 噛まないようにするためにどうすれば良いですか。
  イヌは、必ず順位をつけて生活します。イヌが人よりも上の順位になっていると、人のいうことを聞かなくなります。自分の気に入らないことが有ると攻撃をすることが有るのです。このようなときには、人がイヌよりも上の順位になる必要が有ります。また、恐怖や不安から噛み付くイヌもいます。このような場合は、恐怖や不安を取り除いてあげなければなりません。
・ 落ちている物を食べないようにするしつけかた。
  家のなかの問題なのであれば、とにかく、イヌが届く範囲に物を置かないことが一番だいじなことでしょう。散歩中のことならば、イヌが落ちているものに気付いて口に入れてしまう前に、人が気付いてあげて、落ちているものからイヌの気をそらすようにします。
「ネコの予防について教えて下さい。」

 今月は、猫の伝染病の予防についてお話します。

 猫は、犬などよりも自由に外出する機会が多いペットです。その為、事故やケ ンカ、伝染病に遭遇することが少なくありません。なかでも伝染病は、感染力 が強く、多くの猫が感染しているものもあります。ワクチンで予防出来る病気 もありますので、よく覚えておきましょう。

 ワクチン接種で予防ができる病気は以下5つあります。猫の鼻カゼといわれる 「ウイルス性鼻気管炎」、カゼの症状からはじまり、口や舌に潰瘍ができる「カ リシウイルス感染症」、非常に感染力が強く下痢や嘔吐を引き起こす「汎白血球 減少症」。他に、「クラミジア感染症」や、免疫の低下がおこり、リンパ腫など の原因にもなる「白血病ウイルス感染症」などです。

 また、ワクチン接種で予防できない病気もあります。代表的なものは、「猫免疫 不全ウイルス感染症(猫エイズ)」、「伝染性腹膜炎」などです。これらは、感染の恐れがある他の猫との接触を避けたり、外には出さずに室内で飼育すること により感染を少しでも防ぐことが出来るでしょう。

 いづれも、ネコちゃんの命に関わってくる恐ろしい病気です。しっかりと予防 をすることで病気を未然に防ぎ、大切なペットとの生活を楽しく過ごしてくだ さい。

ワクチンの種類や接種時期については、獣医師に相談されるとよいでしょう。


「不妊手術をしようかどうか迷っています。手術をした時の利点を教えて下さい。」

 茨城県だけで1年間で1万6千頭以上のイヌやネコが処分されています。とても悲しい事実です。

 可愛がって飼っているペット達から産まれたはずなのに、子供の処分に困って連れられてくることが多いのです。とても矛盾を感じてしまいます。
  このようなことが起こらないようにする一つに不妊手術(去勢、避妊)があります。無用な繁殖を防ぐことはとても大事なことです。

 また一方で、病気の予防の面からも不妊手術の有用性が提唱されています。例えば、イヌのオスであれば、前立腺肥大、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫、精巣腫瘍などを防ぎ、メスでは、卵巣子宮系の病気、特に子宮蓄膿症を防ぐことが出来ます。また、乳腺の腫瘍になる確率を低くすることができます。

 ある報告では、初めての発情が来る前に避妊手術をうけると、将来乳腺の腫瘍になる危険性は0.05%であると、また、1回目の発情が過ぎた後では8%程度になり、2回目以降になると26%と高値を示すといわれています。

 他に、ケンカや発情期に多い交通事故なども少なくすることが出来るでしょう。
飼育のし易さにも関係があります。特に男の子では、早い時期であれば男の子らしい性格の強さが出ずあつかい易く、また、マーキングなどの自己を誇示する行動が出ないで済むことがあります。

 一概に不妊手術が良いことばかりだとは言えませんが、利点は多いですので良く考えられてみて下さい。


「はじめて犬を飼ったのですが、予防について教えて下さい。」

A.犬を飼うにあたって必要な予防はいくつかあります。

1. 狂犬病予防注射
 この注射は、年齢が3ヶ月を超えれば射つことが出来ます。唯一法律で義務付けられている注射ですので、市町村への登録も含めて受けるようにして下さい。
2. 混合ワクチン
 ジステンパーやパルボなどの伝染病の予防になります。
生後2か月齢から受ける事が出来ます。通常、3〜4週間隔で2回から3回うつ必要がございます。
  主に用いられている注射には、5種、6種、7種、8種、9種ワクチンと様々な種類があります。どのワクチンを使用するかは地域によって異なりますので、その地域の動物病院に問い合わせてください。
3. フィラリア予防
 薬を投与して、蚊にさされることで心臓内へ細長い寄生虫がはいることを防ぎます。
 予防期間は、蚊が出現している時期にあわせます。地域により異なってきますので、その地域の動物病院に問い合わせてください。
 また、薬の投与方法は錠剤、チュアブルタイプ(お肉のようなもの)、注射、スポットオンとありますので、それぞれの特徴を聞いて、御自分に合った方法を選択して下さい。

以上の他にも、与える食餌、避妊手術や去勢手術も病気の予防にもなりますので、考慮してみて下さい。